李下に冠をたださず

「国民の生活が第一」代表 小沢さんの控訴審判決は1審に続き無罪となった。

おそらくこれで無罪は確定となるのだろう。

そもそもこの起訴は証拠が乏しく無理筋であったのは、素人目からも明らかだった。

それでも裁判になったのは、検察審査会が「民意」を受けて強引に起訴したからであって、国民の一部から酷く疑われていたことを表している。

もし被疑者が一般市民で、充分な証拠もないのに起訴されたなら人権侵害にあたるという指摘もされるのだろうが(実際お仲間の国会議員からはそのような指摘もあった)、国民の声としては大きなものにならなかった。

なぜ国民から擁護されなかったのか?

それは彼が大きな権力を持っていると認識されているからで、(法律上は「疑わしきは罰せず」として今回は無罪になるのは当然のことだが)政治家としての道義的責任をも同時に問われたのだと思う。

古い諺に「李下に冠をたださず」「瓜田に履を納れず」とある。

他人のすももや瓜を盗まないのは当たり前、そんな風に誤解されることもしてはならないのは、権力を持つ政治家なら最も戒めなければならないことだ。

見識高く思慮深い希有な政治家として、むしろこの法的無罪の慶事を機に倫理的・道義的責任を果たし引退されることをおすすめしたい。  y.ishii