蘭奢待(らんじゃたい)

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有名な香木・蘭奢待(らんじゃたい)を見たいという欲望を抑えきれなくなり正倉院展へいってきた。

正式名称は黄熟香(おうじゅくこう)で、「蘭奢待」という名は、その文字の中に”東・大・寺”の名を隠した雅名だそうだ。(雅名の意味がよくわからんが・・)

正倉院の宝物が当時のままの形で残っていることに価値があるのとは逆に、この1.5mほどの香木は切り取られ毀損された跡に価値がある。

切り取った主が足利義政や織田信長という歴史上のビッグネームだからだ。

写真にあるように切り取った場所まで特定され付箋が貼られている。

むかって右が義政、まん中が信長、左端が明治天皇だ。

この付箋を見た瞬間から、私たちの歴史物語がリアリティをもって起動する。

そしてそれぞれの「物語」を共有する構成員の一人であることを実感する。

蘭奢待を見たいという欲望は、どうやら自分自身も日本の歴史の中の日本人の一人であることを確認したかった・・・ということだったのか・・・。

ところで「蘭奢待」は国宝ではなく皇室の宝「御物(ぎょぶつ)」というらしい。

故に、切り取りは最高権力者のみに 許されていたようだ。

今後新たな「切り取り跡」をつくる人物が現れるだろうか?

もうそんな時代は来ないだろうと思いながら正倉院展をあとにした。

y.ishii