中道とは

中道とは

選挙を意識して各党間の言葉に激しさが増してきている。
そんななか少し前になるが中道についての論争があった。

細野政調会長は「世論がタカ派の方向に流れるかもしれないが、民主党は真ん中にどっしり立つ」と発言するなど民主党はさかんに「中道」を喧伝した。

自民や維新を「右翼・タカ派」的カラーとみなしてのことだろう。

これに対し自民の安倍総裁は民主党を「大衆に迎合しようとする醜い姿」と批判している。

いろいろな考え方があろうが、私はこの件に関しては安倍さんのほうに分があるように思う。
それは「中道」とはそれ自身で成り立たないし、成り立てないからだ。

当たり前のことだけど「中(なか)」という位置あるいは概念は、対照となる異なる2点がなければ特定できない。

つまり右なり左なりがまず先になければ「中はここです」と宣言することができない。
 それは「中」は先に存在できないが故、常に後手に回らざるおえないし、後手に回ることをも意味している。

今回にあてはめると、右の自民党や維新、左の共産党や社民党がまず先になければ「民主党はここです」と言えないし、自民党あるいは共産党の政策を聞いてからしか、自らの政策を発表できないということである。(だって先に政策を発表して、それより内側の政策を他党に取られたら「中」ではなく「端」になってしまう)

ゆえにそれは、他人の意見を聞いてから良いとこ取りの意見を言う人に似て、常に「後出しじゃんけん」をすることを意味している。

だから「大衆に迎合しようとする醜い姿」と批判されたのだと思う。 y.ishii